目的別WEBサイトの構築・制作方法
静的WEBサイト
静的WEBサイトとは、WEBサイトページを1ページずつHTML+CSSによるコーディングでブラウザで表示できる複数のコンテンツページを用意して、所謂、紙芝居的に各ページ間をリンクさせてページを切り替え表示する制作方法となります。静的ページのWEBデータは完全WEBデータと呼ぶこともあり、CMSなどのシステムのデザインテンプレートを制作する際もまずは、この完全WEBデータを制作する必要があります。
静的WEBデータはページ自体が独立した単体ページですので、個別のコーディング記述が可能で、SEOにも強いコーディングを施工する事が可能ですが、一般的にSEOの対策の前提としてコンテンツページ数やページ内の項目タイトル数、記事文章などの文字列数などの物量が必要になる為、各ページのコンテンツを1つずつ制作する手間がかかりますし、思ったようなデザインレイアウトにするには、HTMLやCSSの文法知識が必要になります。
CSSの柔軟な記述が出来ることは勿論、各ブラウザのバグなどを逆利用したハックの知識など、それなりの経験値がなければクロスブラウザなどへの対応はそれなりに奥が深く難しいです。
主に、コーポレートサイトやブランディングサイトやキャンペーンサイトなどの構築の際に静的WEBサイト構築を行います。この静的WEBサイト構成で極力、ページ数、記事文章が多いサイト構成が、SEOに強いと思うWEBサイト構築のスタイルです。ページ数が増えれば増える程、都度編集しなければならないページ数が多くなる為、維持メンテナンスの面で作業工数(人件費)が膨れ上がってしまう点がデメリットになります。
ISDNに置き変わり、ADSLの出現でインターネット回線速度が劇的に速くなりWEBサイトの数も急激に増え始めた2000年頃はHTML4で作られていましたが、XHTMLとCSS2での記述が主流となりWEB標準のW3Cに準拠したコーディングが求められましたが、スマートフォンやタブレットなどが普及して、各ブラウザが対応したこともあり現時点ではHTML5とCSS3でサイトページを制作するのが一般的となっています。勿論、HTML5やCSS3のコーディングについてもWEB標準のW3C準拠コーディングはありますが、現時点ではGoogleが推奨するサイトコーディング記述など、SEOの面を考慮した記述方法の進化速度やブラウザの描画仕様の進化にW3CのWEB標準が追い付いていないような面もあり、どちらかというと検索エンジン対策を優先してWEB標準の記述を敢えて無視した記述をすることも多くなっています。
しかしながら、やはりWEBコーディングは基本の記述ルールがありますので、極力両立させるような記述をするべきと考えています。
CMSシステム
CMSシステムとは、コンテンツマネジメントシステムの事で、フロント側に表示するコンテンツ内容を編集登録する為の管理画面を持ったシステムです。サイトの運営者自身がサイトページの記事文章の編集や新たなページを追加したり画像を張り付けたり、管理画面の編集登録操作で表示するWEBページを自由に編集する事ができるようになります。
静的ページの制作方法とは異なり、基本的に全てのページのデザインレイアウト、つまり枠デザインは一種類のみで、その枠内の文章などが各ページによって異なる内容となったページ構成となります。静的サイト構成に対し、管理画面の編集だけで表示が自動的に切り替わるので、動的サイト構成と呼ぶこともあります。
CMSシステムでは、オープンソースパッケージのWordPressというブログサイト構築用パッケージが有名ですね。
基本的なページ構成は。TOPページ、記事一覧ページ、記事詳細ページの3種類のページが最小構成となり、それぞれデザインレイアウトは1つのみとなり、構築するサイト内の枠デザインは全ページ共通のデザインとなります。この枠デザインの事をテンプレートと言います。WordPressではテーマと呼びます。
このテンプレート上の各枠内に入る文字文章や画像などを管理画面から追加削除したり、文言、文章を編集したりすることで、HTMLやCSSの知識が無くてもページ上のコンテンツ表示を変更する事が出来るようになっています。ページを追加したり、記事を追加したりすると、ページ間のリンクなども自動的に作られますので、維持メンテナンスは非常に楽になります。
ただ、テンプレート自体のレイアウトの変更やデザインまでを変更したい場合はやはりHTMLやCSSといった言語記述を理解していなければ思ったようなデザイン表示にはなかなか容易には変更できません。極簡単に言うと同じページとして決まったデザイン枠の中身だけを自由に編集しやすくなっている。というイメージになります。
CMSシステムにも色々なものがあり、ブログシステムの様に、記事とその記事一覧というようなものではなく、ページが追加されていくようなCMSシステムもあります。
WordPressを利用して、日記的なページ生成ではなく、コーポレートサイトなど静的WEBサイト構成のようにすることも良く行われる方法ですが、管理画面に登録したコンテンツをどのようなルールでどの場所に出力表示させるかなど、サイトの目的やコンテンツ内容によってプログラムをカスタマイズしなければなりません。
また、システム自体に様々な機能を追加する事が出来る機能プラグインが沢山あり、それらをうまく組み合わせて導入する事でCMSシステム自体の機能拡張性も確保されています。
例えば、WordPressには、通販サイトの様にカート機能を追加拡張するようなプラグインもあります。
しかしベースが「ブログ」用のシステムですので、ECサイトを本格運用する場合は、やはりECサイト構築専用に開発されているCMSパッケージでサイト構築する事が望ましいと思います。
ECサイトシステム
ECサイトシステムは、ECサイトを運営する事に特化した機能が用意されてたCMSシステムです。ECサイト構築用のパッケージも色々な物がありますが、基本的にはTOPページ、商品一覧ページ、商品詳細ページ、会員専用のマイページという構成になっています。
ユーザーは目的の商品をカートに入れ、買い物をする為の手続きを順を追ってページ遷移していき、注文が出来るような仕組みになっています。
サイト管理者は、管理画面から、商品の画像や説明文章などを編集登録や商品を分類するカテゴリを登録したり、注文が入った際に、支払の案内や商品配送の連絡など注文者とやり取りをして注文の処理を行う機能などが用意されています。
ASPサービス
ASPサービスとは、ブログシステムやECサイトシステムなどの基本のCMSシステムをサーバー上に一つ用意して、複数のユーザーでその一つの基本システムを利用するというレンタルシステムになります。
ブログなどはフリー(利用料金が無料)のものが沢山ありますし、ECサイト運営用のASPサービスでは月額料などで利用できる様々なシステムがあります。
各種ASPサービスには、かなり多くの機能が予め用意されており、殆どのケースで用意されている機能のみでサイト運営する事が可能ですが、取り扱う商材によっては、どうしてもそのままの機能では思ったような運用が出来ない場合があります。
自前で構築するCMSサイトの場合、自由にプログラムを変更して自分の使い易い状態に仕組み毎作り変えることが可能ですが、ASPサービスの場合は複数のユーザーで一つのシステムを利用している為、自分だけが好きにプログラムを変更したりカスタマイズする事が出来ません。あくまでも用意された機能に合わせて、運用フローを変えるしかありません。どうしても運用フローを変更できない場合はASPシステムでの運用はできません。
基本的な機能や用意されている機能を駆使する事で、自分に合ったサイトが構築できるのであれば、基本となるプログラム動作やサーバーの構築や運用などの知識が全くなくても直ぐに利用する事が出来ます。